ADE 抗体依存症の増強 2020 7 19

書名 新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識
著者 水谷 哲也  東京化学同人

 コロナウイルスというものは、動物の世界では、普通にあります。
それが、なぜ人間の世界に進出したのか。
私は、そういう思いが強いです。
 いずれにせよ、新型コロナウイルスと戦うには、
獣医の知見が必要であると確信しました。
 さて、この本で、動物の世界のウイルスを見てみましょう。
「ネコ伝染性腹膜炎ウイルス」
 このウイルスは、ネコ腸内コロナウイルスが変異して、
強毒になったウイルスです。
 ネコ腸内コロナウイルスは、軽い腸炎を起こす程度の弱毒ウイルスですが、
ネコの腸内で変異して、マクロファージに感染できるようになると、
ネコ伝染性腹膜炎ウイルスという強毒ウイルスに変身して、
文字どおり腹膜炎を起こします。
 ネコ伝染性腹膜炎ウイルスには、もう一つの特徴があります。
多くのウイルスは、抗体が結合すると、細胞に感染できなくなるのに対して、
ネコ伝染性腹膜炎ウイルスは、抗体が結合すると、
逆に感染力が増してしまいます。
ウイルス学では、ADE(抗体依存症の増強)といいます。
 ワクチンは、体内で抗体を作らせることが目的なので、
ネコ伝染性腹膜炎ウイルスにワクチンを接種すると、
抗体が病状を悪化させてしまう可能性があります。
(引用、以上)
 著者は、こう言います。
新型コロナウイルスのワクチンを開発する際にも、
ADEを起こすか否かを見極めることは、
非常に重要なポイントです。
(注)
 ネコ伝染性腹膜炎ウイルスが人間に感染することはありませんので、
愛猫家は、人間に対する感染を心配する必要はありません。






































































トップページへ戻る